株式投資を始めると、「指値注文(さしねちゅうもん)」や「成行注文(なりゆきちゅうもん)」といった注文方法を目にすると思います。
また、取引の際に「約定(やくじょう)」という言葉もよく使われます。
今回は、指値注文と成行注文の違いや、それぞれのメリット・デメリット、約定の仕組み について、初心者でもわかりやすく解説します!
Contents
1. 指値注文とは?
特徴
指値注文とは、「○○円で買いたい」「○○円で売りたい」と価格を指定する注文方法 です。
希望する価格になるまで取引が成立しないため、希望価格で売買できるメリット があります。
具体例
- 株価が1,000円のときに「950円で買い注文」
→ 株価が950円まで下がらないと買えない - 株価が1,000円のときに「1,050円で売り注文」
→ 株価が1,050円まで上がらないと売れない
メリット
✅ 希望する価格で売買できる
✅ 思わぬ高値・安値で約定するリスクがない
✅ 急激な価格変動を回避できる
デメリット
❌ 注文が成立しない可能性がある(株価が希望価格に届かないと約定しない)
❌ チャンスを逃すことがある(短期間で株価が上昇・下落した場合、取引できない)
2. 成行注文とは?
特徴
成行注文とは、価格を指定せず、今の市場価格で売買を成立させる注文方法 です。
「今すぐに買いたい」「今すぐに売りたい」というときに便利です。
具体例
- 成行で買い注文を出す → 現在の最安値の売り注文と約定
- 成行で売り注文を出す → 現在の最高値の買い注文と約定
メリット
✅ 確実に約定する(指値注文と違い、売買が成立しないことがない)
✅ すぐに売買できるため、短期トレードに向いている
デメリット
❌ 想定よりも不利な価格で約定する可能性がある
❌ 急騰・急落時に予想外の高値や安値で約定することがある
3. 指値注文と成行注文の違い
指値注文 | 成行注文 | |
---|---|---|
注文方法 | 価格を指定 | 価格を指定しない |
約定の確実性 | 指定価格にならないと約定しない | ほぼ確実に約定 |
メリット | 希望価格で売買できる | すぐに売買できる |
デメリット | 約定しない可能性がある | 予想外の価格で約定する可能性がある |
向いている投資スタイル | 長期投資・じっくり取引したい人 | 短期トレード・デイトレーダー |
4. 約定(やくじょう)の仕組み
「約定」とは、売買が成立すること を指します。
株式市場では、買い注文と売り注文の価格が一致したときに約定が成立します。
約定の流れ
- 投資家Aが 1,000円で買い注文(指値)
- 投資家Bが 1,000円で売り注文(指値)
- 1,000円で約定成立!
成行注文の場合、注文が出た時点で市場の最良の価格で約定します。
注文が約定しないケース
- 指値注文の価格に到達しない場合
- 取引時間外に注文した場合(翌営業日扱い)
約定の仕組み
目標の株価に達したのに約定しない、ということがあると思います。
例えば添付の写真を見てみましょう。
1760円で500株売り注文を出しているとします。
確かに株価は1760円になっていますが買い板がありません。
これでは売買は成立せず約定しません。
それではここで成行注文を500株出したとします。
買い板を見てみると1756円と1755円にそれぞれ300株ずつ買い注文が入っています。
この場合、1756円300株と1755円200株の合計500株が売買成立します。
これはあくまで瞬間を切り取った例えばの話です。
5. どちらを使うべき?指値注文と成行注文の使い分け
✅ 指値注文が向いているケース
- 希望する価格で売買したい(価格を厳密に指定したい)
- 急な相場変動を避けたい(思わぬ高値・安値での約定を防ぎたい)
- 長期投資を考えている(じっくり狙いたい)
✅ 成行注文が向いているケース
- すぐに売買したい(チャンスを逃したくない)
- 流動性の高い銘柄を取引する(大きく価格が変動しにくい)
- 短期トレードやデイトレードをしている(スピード重視)
6. まとめ
✅ 指値注文は、希望価格で売買できるが、約定しない可能性がある
✅ 成行注文は、確実に約定するが、不利な価格で約定するリスクがある
✅ **約定の仕組みを理解し、状況に応じて使い分けることが大切です。
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