信用取引を行う際に最も注意すべきリスクのひとつが 「追証(おいしょう)」 です。
追証は、投資資金が足りなくなった際に追加の入金を求められる仕組みで、対応を誤ると強制決済(ロスカット)になることもあります。
本記事では、追証の仕組みや発生条件、回避するための対策 について、初心者にもわかりやすく解説します!
Contents
1. 追証(おいしょう)とは?
追証の意味
追証(追加証拠金)とは、信用取引で株価が下落し、担保となる証拠金が不足したときに発生する追加の入金義務 のことです。
信用取引は証券会社から資金や株を借りて行うため、証拠金(担保)が一定額以上ないと取引を続けることができません。
しかし、株価の急落などで証拠金が不足すると、証券会社から追加の入金(追証)を求められます。
2. 追証が発生する仕組み
信用取引では、取引金額の約30% を「証拠金」として預ける必要があります。
しかし、株価が下落して評価損が増えると、証拠金維持率が一定の基準を下回り、追証が発生します。
追証発生の流れ(例)
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信用取引で100万円分の株を買う
- 必要な証拠金(30%)= 30万円
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株価が下落し、含み損が20万円発生
- 保有株の評価額=80万円
- 証拠金30万円−含み損20万円= 10万円(証拠金が減少)
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証拠金維持率が30%を下回ると追証発生!
- 証拠金維持率 = 10万円 ÷ 80万円 = 12.5%(基準未達)
- 追加証拠金として 不足分を入金する必要あり!
もしこの時に追証を入金しないと、証券会社は 強制決済(ロスカット) を行い、損失が確定してしまいます。
3. 追証のデメリット
❌ 追加の資金が必要になる
追証が発生すると、不足分を入金しないと取引が続けられない ため、手元の資金が圧迫されます。
❌ 強制決済(ロスカット)のリスク
追証を期限内に入金できない場合、証券会社が強制的にポジションを決済 します。その結果、思わぬ損失が確定してしまうこともあります。
❌ 損失が大きくなる可能性がある
信用取引では元手の約3倍の取引ができるため、株価が急落すると損失も3倍になる 可能性があります。
さらに、相場の急変時には「ストップ安」で売れずに損失が拡大するケースもあります。
4. 追証を回避する方法
追証は信用取引をする限り、誰にでも発生する可能性があります。
しかし、適切なリスク管理を行うことで追証を回避することが可能 です。
✅ ① 証拠金維持率を常にチェック
証券会社の取引画面では、証拠金維持率 を確認できるので、定期的にチェックしましょう。
証拠金維持率が 50%を切りそうな時点 で早めに対策を取るのが重要です。
✅ ② レバレッジをかけすぎない
信用取引は 自己資金の3倍まで取引可能 ですが、リスク管理のために レバレッジは低め(1.5倍〜2倍程度)に抑える のが理想的です。
✅ ③ 損切りラインを決めておく
「株価が○○円になったら損切りする」と事前に決めておけば、含み損が膨らむ前に対処できます。
特に、信用取引では 損切りの遅れが致命的なダメージに繋がる ため、ルールを厳守しましょう。
✅ ④ 逆指値を活用する
証券会社の注文機能には 「逆指値(ぎゃくさしね)」 という便利な仕組みがあります。
逆指値を設定しておけば、株価が一定ラインを割ったら自動的に損切り できるため、追証を回避しやすくなります。
✅ ⑤ 余裕を持った資金管理
信用取引における証拠金は 最低30% ですが、ギリギリの資金で取引すると 少しの値動きでも追証発生のリスク があります。
証拠金維持率は50%以上をキープ するのが理想的です。
5. 追証に関するよくある質問(FAQ)
Q. 追証の入金期限はいつ?
証券会社によって異なりますが、通常は 翌営業日の15時まで に入金が必要です。
入金できない場合は、翌日または翌々日に強制決済(ロスカット) となることが多いです。
Q. 追証が発生したらどうすればいい?
① すぐに追加資金を入金する
② 損切りしてポジションを軽くする
③ 信用取引を一部決済して証拠金維持率を回復させる
この3つの選択肢の中から、状況に応じて適切な対応を取りましょう。
Q. 信用取引を使わなければ追証は発生しない?
はい、追証は信用取引でのみ発生 します。
現物取引では、購入した株の価値がゼロになっても 借金を背負うことはありません。
6. まとめ
✅ 追証(おいしょう)は、信用取引で証拠金が不足したときに追加の入金を求められる仕組み
✅ 追証を防ぐには「証拠金維持率のチェック」「レバレッジの抑制」「損切りの徹底」が重要
✅ 資金管理を徹底し、無理な取引をしなければ追証のリスクを抑えられる
信用取引は、上手に活用すれば資金効率を高めることができますが、追証のリスクを理解し、慎重に取引を行うことが大切 です。
適切なリスク管理を行いながら、安全なトレードを心がけましょう!
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